【コラム】取引履歴の開示義務
任意整理を弁護士が受任すると、債権者に対し、受任通知を発送し、取引履歴の開示を求めることが通常です。
それでは、貸金業者には、取引履歴を開示する義務があるのでしょうか。
平成17年の最高裁判所の裁判例では、
「以上のような貸金業法の趣旨に加えて、一般に、債務者は、債務内容を正確に把握できない場合には、弁済計画を立てることが困難となったり、過払金があるのにその返還を請求できないばかりか、更に弁済を求められてこれに応ずることを余儀なくされるなど、大きな不利益を被る可能性があるのに対して、貸金業者が保存している業務帳簿に基づいて債務内容を開示することは容易であり、貸金業者に特段の負担は生じないことにかんがみると、貸金業者は、債務者から取引履歴の開示を求められた場合には、その開示要求が濫用にわたると認められるなど特段の事情のない限り、貸金業法の適用を受ける金銭消費貸借契約の付随義務として、信義則上、保存している業務帳簿(保存期間を経過して保存しているものを含む。)に基づいて取引履歴を開示する義務を負うものと解すべきである。」旨判示したものがあります。
貸金業法第19条の2には「債務者等又は債務者等であつた者その他内閣府令で定める者は、貸金業者に対し、内閣府令で定めるところにより、前条の帳簿(利害関係がある部分に限る。)の閲覧又は謄写を請求することができる。この場合において、貸金業者は、当該請求が当該請求を行った者の権利の行使に関する調査を目的とするものでないことが明らかであるときを除き、当該請求を拒むことができない。」旨の規定が設けられています。
取引履歴の開示について分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。
コラム一覧
当事務所の弁護士が日々感じていることをコラムにしています。こちらもご覧下さい。
お気軽にご相談下さい!
■ | ■ | ■ | ■ | ■ |
事前にお電話にて相談日のご予約をお願い致します。債務整理のことならお任せ下さい。 ※お電話での相談は行っておりません。ご予約のみとさせていただいております。ご了承下さい。