【コラム】破産と生命保険
事務員：破産手続きをすると、生命保険は、どうなるのでしょうか。
生命保険をいったん解約してしまうと、同じ条件で加入するためには、保険料が上がってしまったりする場合もあると思います。
弁護士：生命保険契約については、解約返戻金の有無がポイントのうちの一つになります。
掛け捨ての保険であれば、破産申し立て後も、継続できることが通常だと思います。
事務員：解約返戻金のある保険は、どうでしょうか。
弁護士：解約返戻金の金額にもよると思います。
例えば、解約返戻金が５万円の保険であれば、残すことができることが通常であると思います。
事務員：解約返戻金が５万円であれば、金額としては、比較的少額ですね。
弁護士：もっとも、解約返戻金の金額が５０万円の保険であれば、同時廃止（どうじはいし）事件として、破産手続きを進めつつ、生命保険契約を残すことは通常できないと思います。
事務員：同時廃止？
弁護士：破産手続開始決定と同時に破産手続を廃止（はいし）する場合を同時廃止と言うことがあります。廃止とは、手続を終了するという意味で、同時廃止とは、破産手続を開始すると同時に終了するという意味です。
破産者の方に財産がある場合には、破産手続開始決定と同時に破産管財人を選任します。
事務員：破産管財人が選任される場合には、解約返戻金が５０万円ある生命保険を残すことができるのでしょうか。
弁護士：解約返戻金が５０万円ある生命保険について、自由財産（じゆうざいさん）拡張の申し立てをして、自由財産として認められれば、破産者の方が生命保険契約を継続できる場合があります。
自由財産として認められる財産の額には、法律上、上限が定められています。
くわしくは、破産手続を依頼する弁護士さんとよく相談をしてください。
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