【Q&A】最高裁判所判決から10年

質問

私は、平成5年に消費者金融会社から金銭を借り入れました。当時の金利は、実質年利約27パーセントであった記憶です。

 

私は、その後、現在に至るまで、借り入れと返済を繰り返してきました。私は、現在では、金利は実質年利17、5パーセントになりましたが、残高は、約50万円です。私の約定金利で計算した借り入れ残高は、契約当初から、約45万円~約50万円の間であり、完済したことはありません。

 

私は、最近、過払い金の返還請求を認めた最高裁判所の判決から10年が経過するという話を聞きました。また、過払い金返還請求権の消滅時効期間が10年であると聞きました。

 

私は、いままでは、ETCカードを持てなくなると仕事上不便であったので、過払い金の返還請求を思いとどまっていましたが、先月、仕事を辞めたので、弁護士さんに任意整理をお願いし、もし、過払い金が存在するのであれば、過払い金返還請求をしてもらおうと思っています。

 

最高裁判所の判決から10年が経過すると過払い金の返還請求ができなくなってしまうのでしょうか。

 

弁護士からの回答

過払い金返還請求権の消滅時効の起算点は、継続的な金銭消費貸借取引が続いており、約定残高が0円になっていない場合には、多くの場合、最終取引の時からであると考えられます。

 

平成18年1月13日の最高裁判所の判決は、期限の利益喪失特約がある場合には、特段の事情のない限り、旧貸金業の規制に関する法律第43条1項の適用はない旨判示しました。

 

期限の利益喪失特約とは、おおざっぱにいえば、お金を分割払いで借りている方が、支払いを遅れると残債務を一括で支払わなければならない旨の特約をいいます。

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消費者金融会社の金銭消費貸借契約には、期限の利益の喪失特約が付されているのが通常ですので、この最高裁判所の判決により、過払い金返還請求が多く行われるようになったと思います。

 

したがって、消滅時効期間の経過については、過払い金返還請求をする方と消費者金融会社の金銭消費貸借契約の内容等がポイントとなり、この最高裁判所の判決から10年が経過したからといって、それ自体で、当然に、過払い金の返還請求ができなくなるわけではないと考えられます。

 

過払い金の返還請求をする方と消費者金融会社の取引の内容次第では、平成28年1月13日より前に消滅時効期間が経過することもあり得ます。

 

過払い金返還請求には、消滅時効期間があります。過払い金返還請求をお考えの方には、お早めに弁護士にご相談されてはいかがでしょうか。

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