破産に際して個人の方が知っておくべき10箇条を弁護士が解説

破産について、よくあるご質問・注意点を解説

破産手続きをとることは、はじめての経験という方がほとんどだと思います。

破産手続きを考えざるを得ない状態になった場合、これからの生活がどうなるのか、自分の財産はどうなるのかなど、破産手続きをとることに不安を覚える方も多いと思います。

破産手続きをする際に、知っておいたほうが良いと思うことをここにご紹介させていただきます。

もっとも、ここですべてをご紹介することはできません。

実際に、破産手続きを行うにあたっては、依頼をする弁護士によく相談をしてください。

1 破産手続開始決定後の給料を生活に使うことができますか

破産手続きをすると、破産をされる方が、働いて得た給料は、どうなるのでしょうか。

破産手続開始決定後に得た給料については、破産者の方が生活に使うことができます。

2 銀行の通帳は、使い続けることができますか

破産手続をする場合、銀行の通帳は、原則として、そのまま利用することができます。

もっとも、預金口座がある銀行から借り入れをしている場合、その銀行口座は、使うことができなくなり、残っている預金は、借入金と相殺をされることが通常ですので、注意が必要です。

3 アパートには住み続けることができますか

破産手続をする場合、賃借人が破産をしたこと自体は、通常、賃貸借契約の解除事由にはならないと考えられます。

したがって、破産申立をしても、賃料を遅れずにしっかり支払うなど、賃貸借契約の賃借人としての義務を怠らないことが大切だと思います。

4 自動車は、残すことができますか

破産手続をする場合、自動車について、その経済的な価値がなければ、通常、そのまま乗り続けることができます。

例えば、新車登録から10年を経過した軽自動車であれば、通常、経済的な価値がないと判断されると考えられます。

5 掛け捨ての保険を継続することができますか

破産手続をする場合、掛け捨ての保険は、通常、そのまま継続をすることができると考えられます。

したがって、自動車保険や掛け捨ての医療保険、掛け捨ての生命保険などは、そのまま継続できると考えられます。

解約返戻金が存在する保険については、依頼する弁護士にご確認ください。

6 住民票や戸籍には、記載されますか

破産手続開始決定を受けた事実や免責決定を受けた事実は、戸籍謄本や住民票に記載されません。

7 家族の財産は処分されますか

破産手続きをとる場合、妻や両親の財産は、処分されません。

なお、破産申し立て直前に、破産手続きをとられる方が、妻や両親に財産を贈与した場合など、特別な場合には、問題になる場合があります。

なお、同居の家族の方には、源泉徴収票、給与明細書などの資料を提出するなど破産手続きへの協力が必要です。

8 弁護士には、正直に全部話す、分からないことは聞く

弁護士には、正直にすべて話をしてください。破産手続きが進んでいくなかで、財産目録に記載されていない財産が見つかるなどの事態になると、破産手続きをされる方にとって不利益になる可能性があります。

弁護士には、正直にすべてを話してください。また、分からないこと、疑問に思ったことがあれば、弁護士におたずねください。

9 債権者を不公平に扱わないように注意をしてください

破産手続きをするにあたり、債権者を不平等に扱わないでください。友人から借りたお金だけ、本来の弁済期より繰り上げて支払うなどの行為を行うと、後の破産手続きにおいて破産管財人が選任されて、否認権が行使される可能性もあります。

弁済等の行為をする前に、弁護士までご相談ください。

10 自分の財産を減らさないように注意してください

破産手続きをとる方の財産は、後々、債権者の配当の原資となる可能性のある財産です。

例えば、自動車を身内に安く売却する、身内に現金を贈与するなどの行為は、後に破産管財人が選任され、否認権が行使される可能性もあります。

売却、贈与等の行為をする前に、弁護士までご相談ください。

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