自己破産することで、車は処分されてしまう?
1.はじめに
債務者の方が自己破産をした場合、自動車は、処分されてしまうのでしょうか。
多くの方にとって、自動車は、日常の生活に必要なものであると思います。
ここでは、自己破産の申し立てをする際、自動車を利用できなくなるか否かについて、いくつかの場合に分けて説明します。
2.信販会社の自動車ローンの場合
まず、債務者の方が、信販会社から、自動車ローンを組んでいる場合について説明します。自動車ローンの支払いが残っており、自動車を担保に入れている場合、債務者の方が、自動車ローンの支払いを停止すると、通常、信販会社が自動車を引き上げます。
したがって、債務者の方は、通常、自動車を利用できなくなります。
3.自動車ローンがない場合
(1)自動車の価値が低い場合
例えば、債務者の方が、新車登録から8年経過した国産の軽自動車を所有している事案を仮定して説明します。
新車登録から8年経過した軽自動車を債務者の方が所有している場合、軽自動車を所有していることを理由に破産管財人が選任されることは、原則として、ありません。
破産申し立てをした後、破産管財人が選任されず、破産手続開始決定と同時に破産廃止決定がなされた場合、債務者の方は、通常、従前どおり、自動車を利用することができます。
(2)自動車の価値が一定程度ある場合
例えば、債務者の方が、新車登録から3年経過した国産の普通乗用自動車を所有しており、その評価額が60万円である事案を仮定して説明します。
評価額が60万円の自動車を所有している場合、通常、破産管財人が選任されます。
破産法上、自由財産拡張の申し立てという制度があります。債務者の方が、普通乗用自動車について自由財産拡張の申し立てをし、裁判所が、普通乗用自動車を自由財産とすることを認めれば、債務者の方は、通常、自動車を利用することができます。
なお、自由財産として認められる金額には、限度がありますので、注意が必要です。
事案によっては、破産管財人が自動車を処分する結果となる場合があります。
4.まとめ
自動車と破産手続について分からないことがありましたら、弁護士までご相談ください。
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