運送業における倒産(法人破産)の特徴

1 はじめに

運送業における倒産については、どのような特徴があるのでしょうか。

ここでは、小規模な運送業を営む株式会社における倒産について、一般論として、簡単にポイントに触れます。

もっとも、個別の事案においては、それぞれ事案に応じた特徴があります。

ご依頼をされる弁護士にご相談の際、ご確認ください。

2 事業の特徴

運送業の事業の特性として、トラック等の投資(リース等を活用する場合もあります)が必要で、適正な労務管理をしつつ、トラックをいかに効率よく運用できるか、が重要なポイントになると思います。

3 倒産の原因

価格競争が厳しく、利益が確保できる単価を確保することが難しい場合が少なくないと思います。

また、トラックを効率よく運用する必要があり、効率よく運用できないと、採算が厳しくなると思います。

燃料の高騰、人件費の上昇、いわゆる2024年問題への対応など、収支が厳しくなる要素もあります。

このような状況のなかで、資金繰りに行き詰まり、倒産に至るケースもあります。

4 破産手続における特徴

(1)トラックの処理

事業で使用するトラックが、自社所有で、ローンを完済している場合には、通常、破産管財人に引き継ぎ、破産管財人がトラックを処分することになります。

トラックが、リース契約であり、支払いを停止することにより、債権者に返還しなければならない場合には、通常、債権者に返還します。

(2)倉庫、事務所等

倉庫、事務所等が賃借物件である場合には、賃貸人に返還することになります。

また、原状回復費用がかさんだり、賃貸人に返還できないまま破産申し立てをするようなケースでは、予納金の金額が通常よりも高額になる場合があります。

倉庫、事務所等が自社所有物件である場合には、通常、破産管財人に引き継ぎ、破産管財人が倉庫、事務所等の不動産を処分することになります。

5 倒産手続は、弁護士までご相談ください。

法人の破産手続きについては、わからないことがありましたら、弁護士までご相談ください。

また、個別の事案については、ご相談をされる弁護士にご確認ください。

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